[ 科学技術・大学 ]

神戸高専、壁面に張り付くドローン開発−トンネル打音検査に威力(動画あり)

(2017/12/27 05:00)


壁面に張り付くドローン(神戸高専提供)

ドローンで打音検査(神戸高専提供)
  • 壁面に吸着しプロペラを止めたドローン(神戸高専提供)

神戸市立工業高等専門学校の清水俊彦准教授らは、真空グリッパーで壁や天井に張り付くドローン(飛行ロボット)を開発した。ドローン本体に吸引ポンプを積み、壁面に吸盤を吸いつけて機体を固定できる。実験では1時間吸着できた。固定中は飛行時よりも反力の大きい仕事が可能となる。トンネル壁面の打音検査などへの応用を想定しており、3年程度で実用化を目指す。

ドローンの側面にグリッパーを搭載した。このグリッパーに吸着対象に合わせた変形機能と、真空吸引機能を持たせた。吸盤内の真空が保たれている間はドローンのプロペラを止めて節電できる。ガラス面など凹凸の度合いが少ない面を選べば、1時間以上張り付けることもできるという。今後、負圧を計測するセンサーと自動吸引機能を搭載する。

さらにドローンに有線で給電すれば吸着時間の制限はなくなる。機体を壁や天井に固定できると、打音検査用の打診棒を振るような力作業ができる。プロペラを止めて打音を聞き分けるなどの用途に向く。

100キログラムの重量を支えるグリッパーは開発済みで、機体の大型化には対応できる。一般に吸着重量が大きくなるほどポンプが大きくなり、地上にポンプを配置して高所のドローンにつなぐと、吸引効率が下がる課題があった。ドローンの可搬重量や真空ポンプの配置を工夫して、現場に応じたシステムを構成していく。

(2017/12/27 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン