[ 科学技術・大学 ]

琵琶湖の硝酸生産量、河川流入の3倍 名大が算出技術

(2018/1/25 05:00)

  • 琵琶湖の窒素循環速度イメージ(名大提供)

【名古屋】名古屋大学大学院環境学研究科の角皆潤教授らは、滋賀県の琵琶湖での硝酸の年間生産量の算出技術を開発した。湖での硝酸の酸素同位体異常濃縮度を定めて降水による硝酸の比率を求め、硝化菌が硝酸を生産する量を算出した。光合成の季節変化に合わせて夏は速く、冬は遅くなる傾向があるほか、年間生産量は河川からの総流入量の3倍以上だと分かった。湖沼や沿岸部の富栄養化や生態系構造変化の原因究明につながる。

角皆教授らは、降水による硝酸が特定の酸素同位体を異常に濃縮することに着目。異常濃縮は、一般の化学反応では変化せず、硝化由来の硝酸と混合したときだけ減少する。このため、異常濃縮度を定量化すれば硝酸生産量算出できると考えた。また、琵琶湖では窒素栄養塩を何度もリサイクルして有効利用している生態系の発達が分かった。

硝酸は、植物や植物プランクトンが行う光合成に必須。湖や沼に供給される硝酸の速度は、水質や生態系などを大きく左右する。

研究成果は米陸水・海洋学会の科学誌リムノロジー・アンド・オーシャノグラフィー電子版に掲載された。

(2018/1/25 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン