[ オピニオン ]
(2018/2/8 05:00)
安心・安全を守る防犯用のネットワークカメラが脅威へと変貌する。そのような潜在的な危険性がIoT(モノのインターネット)化の進展とともに広がっていることに留意すべきである。
ネットワークカメラはコンピューターとカメラが一体化したものだ。1台ごとに固有のインターネット・プロトコル(IP)アドレスが割り当てられ、手軽に遠隔からライブ映像を見たり管理したりできる。
防犯以外にも遠隔監視をはじめ用途は幅広いが、使い方や設置手順を誤ると、逆に利便性が仇(あだ)となる。例えば「Mirai(ミライ)」と呼ばれるウイルスは、カメラを踏み台にした大規模なサイバー攻撃を世界各地で巻き起こし、感染の連鎖は今も収まっていない。
セキュリティー上の脆弱(ぜいじゃく)性が残ったままのネットワークカメラは、外部から勝手に侵入されて乗っ取られやすい。公の場に設置されたカメラの映像がインターネット上で不特定多数に閲覧されるという事態も少なくない。
こうしたセキュリティー対策について、情報処理推進機構(IPA)はチェックリストを策定した。カメラの運用管理者のみならず、施工業者向けのガイドラインも示している。難しい技術仕様ではなく、カメラの設置から運用、保守、廃棄に至る各段階での注意事項を分かりやすくまとめている。
具体的には、設置場所の選定に始まり、出荷設定値のままでの使用禁止や、映像ログ(履歴)とトラブル発生時刻との同時記録、システム変更の検知―などの手順や事項が列挙されている。
使い慣れたパソコンやスマートフォンならば、最小限でも何をすればセキュリティーを守れるかが分かる。しかし、続々と登場するIoT機器について逐一理解することは難しい。
このリストは公共システム向けに策定されたものだが、言うまでもなく店舗や企業にも通用する。IoT機器に潜む危険性を知る上で、私用・商用を問わず広く周知すべきだ。
(2018/2/8 05:00)
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