[ オピニオン ]
(2018/2/21 05:00)
オリンピックやワールドカップといったスポーツの国際大会で、日本人選手の活躍を見るのは心地よい。ただ世界で勝つためには、海外遠征や留学を積み、外国人コーチの元で学ぶ経験が重要になっているという。
フィギュアスケート男子で五輪連覇を果たした羽生結弦選手が最たる例だろう。17歳の時に自ら望み、練習拠点をカナダに移した。最初はコーチとの会話もままならなかった。しかし今では海外メディアの取材に難なく対応し、英語でメッセージを発信する。
ビジネスの世界でも海外経験を持つ人を経営トップに据える事例が増えている。海外企業との提携やM&A(合併・買収)が活発化する中、トップ同士が直接対話し、理解し合うことが不可欠だからだ。
日本電産会長兼社長の永守重信さんが指名した後継社長は、商社出身で自動車会社の海外法人社長を務めるなど海外経験が豊富だ。もちろん、それだけが要因ではないだろうが、必要条件ではあるのかもしれない。
海外経験が条件に挙がるのは、語学が堪能というより、異文化の中で不自由や苦労を味わいながら“人間力”が磨かれる点が大きいと思われる。国際舞台で活躍するタフな経営者が次々と出ることを期待したい。
(2018/2/21 05:00)