[ オピニオン ]
(2018/3/16 05:00)
20代の若者らが立ち上げたTryfunds(東京都港区)が、創業5年半で東証マザーズ上場のゼネラル・オイスター(GO)を買収し、再生に乗り出した。GO社はカキの加工、卸とレストラン30店舗を運営している。
Tryfunds社長の丹野裕介さんは高校時代、水泳で五輪を目指したが、けがで断念。大学卒業後に入社したリクルートを1年余で退社し、「挑戦をカルチャーに」をビジョンに掲げて海外進出支援コンサルティング会社を起業した。
「挑戦を蓄積させる」の社名通り58カ国にネットワークを構築、400件超の海外進出を支援した。それに加えて企業再生にも乗り出したわけだ。
日本では生がきにあたることを怖がる人が少なくない。GO社は特許技術の海洋深層水浄化による、より安全なカキの提供と沖縄・久米島での“あたらないカキ”の実証実験に取り組んでいるが、こうしたコストもかさんで経営が行き詰まった。
買収先の最高経営責任者に就任した丹野さんはお家芸の海外進出も視野に「2019年3月期に黒字化する」と宣言。その先には事業継承などに悩む中小企業を海外企業と結びつける構想を広げる。買収が同社にとって“あたり”となることを期待したい。
(2018/3/16 05:00)