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[ 環境・エネルギー ]
(2018/3/20 06:30)
電源開発(Jパワー)が青森県大間町に建設中の大間原発は安全性に問題があるとして、北海道函館市の住民ら1164人が国と同社に建設差し止めなどを求めた訴訟で、函館地裁は19日、住民側の請求を棄却する判決を言い渡した。浅岡千香子裁判長は「運転開始のめどが立っておらず、重大事故が発生する具体的危険性を認めるのは困難」と判断した。住民側は控訴する方針。
東京電力福島第一原発事故後、建設中の原発に対する司法判断は初めて。
大間原発は函館市から津軽海峡を挟み最短で約23キロメートルに位置する。2008年5月に着工し、原子力規制委員会で運転に必要な審査が行われている。函館市の市民団体が10年7月に提訴した。
判決は、大間原発は建設中で、規制委の審査も見通しが立っていないと指摘。具体的な危険性を直ちに認めるのは困難な上、「裁判所が規制委の審査を待たず、安全性に関する審査を代わりに行うのは相当でない」とした。
その上で、規制委が審査に使う新規制基準に不合理な点があれば差し止めが認められるが、「審査基準に不合理な点があるとは言えない」と結論付けた。
大間原発は、使用済み核燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う世界初の「フルMOX」を計画しており、住民側は危険性を訴えていた。(時事)
(2018/3/20 06:30)