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[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/30 05:00)
産業技術総合研究所は、千葉県北部地域での地下地質構造を3次元で可視化した地盤図を作製した。地層の詳細な分布や地下水の流れなどを詳しく把握でき、地震防災やインフラ整備、地質汚染対策などに役立てられる。産総研のウェブサイトで30日から無料公開する。3年後をめどに、東京都23区でも完成を目指す。
3次元地質地盤図は、地下数十メートルまでの地質構造を立体図や任意の場所での地質断面図として表示する。従来の2次元の地質図は、地表の地質分布は分かるが、地下の地質構造は把握しにくかった。作製には、産総研の最新の地質研究成果に加え、千葉県が持つ約1万地点の土木・建築工事のボーリング調査データを利用した。これらから地層の境界や分布状況を求め、コンピューター解析により3次元の地下地質モデルを構築した。
地震の揺れの大きさや地盤の液状化には、軟弱層など地下の地質構造が大きく影響する。災害リスクの高確度な評価につなげられる。また、地下水の流れが分かるため、工場などから有害物質が地下に漏れた場合などの汚染調査にも役立つ。
(2018/3/30 05:00)