[ オピニオン ]
(2018/3/30 05:00)
私事で恐縮だが、5年ほど前から毎週土曜日に区営プールに通っている。三日坊主の性格から、あえて水泳教室に入った。腰痛持ちなのでクロールと背泳ぎが中心の初級者コースで泳ぐ。
インストラクターのまねをして、その通りに体を動かすことが新鮮だ。この年齢になると、若手記者を指導することはあっても、先輩に教えてもらう機会はほぼなくなる。“人に教えてもらえる快感”を久しぶりに味わえる。
50代も終盤にさしかかると気になるのが、定年退職日である。多くの企業が「60歳の誕生日」と設定しているようだが、公務員はもちろん大手企業を中心に「満60歳以後の最初の期末」とするケースも多い。
中途採用が増えたとはいえ、まだ4月入社がメーンなので、誕生日が退職日だと、各職場で徐々に欠員が生じてしまう。期末の一斉退職なら、この欠点を補える。誕生日によって働く期間や退職金、生涯賃金に差が生じないため、社員にとって不平等感がないという利点もある。
1年間、小欄に関わってきたが、4月から中小企業支援機関で第2の社会人人生をスタートする。駆け出し記者時代を思い出し、恥をたくさんかきながら中小経営者に教えを請い、産業界の応援団に徹したい。
(2018/3/30 05:00)