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METI Journal×日刊工業新聞/福島の今後(下)

(2018/4/18 05:00)

【ポジティブ情報だけでは…】

―風評被害をなくすためにできることは。

「無関心な人に対する根気強い情報の共有活動は、もっと進めていかなければならない。私自身も広く一般の人向けの本を書いたり、ファクトチェックサイトを作り事実と違うことは『事実と違いますよ』と根拠を提示してチェックする活動を行ったりしている。福島産品のおいしさ、福島の楽しさといったポジティブ(前向き)な情報だけを流せば良いという人もいる。だが残念ながらそれだけでは、無関心な人が福島を忌避するような感情を変えられない。そうした人たちの情報をいかにアップデートしていくか。正面から向き合うことが重要だ」

【真摯に答える言葉カギ】

―ただ廃炉の問題などは、一般の人にはなかなか理解が難しいです。

「最大の問題は“何が分からないのか分からない”という状態で止まってしまっていること。“何が分からないのか分からない”人に向かって、専門家は『これが分からないんですよね』と勝手に想定し、いきなり技術的な定義や原理を技術的な言葉を用いて説明したがる。しかし、そこで暮らしている人たちは、原子力設備がもう1回爆発しないかとか、海や大気中に放射性物質が出て食べ物に入ったりしないかとか、シンプルだが、自分の身に降りかかるかもしれない問題を知りたがっている。そこに真摯(しんし)に答える言葉を専門家が持っていなかったことを、私もその端くれとして自省している」

【『生活の言葉』で語る】

―解決の糸口はありませんか。

「『生活の言葉』を獲得できていないという状態は今も続いており、ともすれば科学の言葉、行政の言葉、政治の言葉に終始し、それを押し付けてしまい、住民にとっては自分たちがないがしろにされているとの思いだけを強めてしまったことも多かっただろう。責任を持って発言すべき人が発言を避けていることもあるのかもしれない。非専門家の前に出て冷静に事実を知ってもらいたいと話そうとしたら、何を言っても『安全PRだ』『御用学者だ』と糾弾されたと話す専門家もいる。ただ、安全なものは安全、私たちは生活するためにこういう見方をすべきだと社会に提示することは、命に直結する問題で有識者の責任だ」

※続きはMETIJournalでお読み下さい。

『METIJournal』は経済産業省の公式情報サイトです

(2018/4/18 05:00)

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