[ 政治・経済 ]

【電子版】G20、反保護主義の確認見送り 世界経済への影響懸念

(2018/4/21 10:30)

  • 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に記者会見する議長国アルゼンチンのドゥホブネ財務相(左)とストゥルセネヘル中銀総裁(20日、米ワシントン、時事)

【ワシントン時事】米ワシントンで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は20日午後(日本時間21日未明)、閉幕した。保護主義的な通商政策が世界経済のリスクになっていると認める一方で、反保護主義の明確な確認には至らなかった。

 世界経済については、引き続き改善しているとの認識で一致した。日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が出席した。前回会合から1カ月しかたっておらず、共同声明発表は見送った。

 会合では、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発動したことを念頭に保護主義的な政策を懸念する声が相次いだ。ただ、3月の前回会合で再確認した「保護主義と闘う」とのG20首脳宣言については、「そぐわないことはしないことで意思統一した」(財務相同行筋)とされるが、終了後の記者会見で議論を総括したドゥホブネ議長(アルゼンチン財務相)は全く言及しなかった。

  • 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に記者会見する麻生太郎財務相(中央)、黒田東彦日銀総裁(右)、浅川雅嗣財務官(20日、米ワシントン、時事)

 議長は、世界経済の下振れ要因として、地政学リスクや金融引き締めに加え、「内向き志向の政策」を挙げた。その上で自由貿易が成長を生み出すとの認識では一致したものの、保護主義をめぐっては「見解の相違がある」と説明。「G20は世界貿易機関(WTO)ではない」とも語り、通商問題解決で果たせる役割には限界があると認めた。

 終了後に会見した麻生氏は「経済成長と財政健全化を両立させることをG20で説明した」と述べた。黒田氏は「強力な金融緩和を粘り強く続ける」と改めて強調した。

(2018/4/21 10:30)

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