[ 政治・経済 ]
(2018/4/24 11:30)
【北京時事】中国初の国産空母が近く黄海や渤海で初の試験航海を行う見通しだ。中国にとって2隻目の空母で、習近平指導部は国威発揚の効果を期待している。ただ、艦載機パイロットらの技能は「不十分」(外交筋)と指摘され、ウクライナから購入した船体を改修した中国初の空母「遼寧」が訓練を重ね要員の養成を急いでいる。
23日は中国海軍の創設記念日に当たる。中国の海事局は20日から28日にかけて黄海や渤海の一部海域を「軍事任務」のために航行禁止区域に指定した。中国のインターネット上には23日、遼寧省大連に停泊していた国産空母を小型船がえい航しているとされる映像が伝えられた。
習指導部は空母を重視し、2隻目の国産空母を上海で建造中。遼寧は3月下旬から南シナ海などで訓練を実施した。日本の防衛省によると、遼寧は20日、西太平洋で初めて艦載機の発着を行った。
国産空母は年内にも海軍に引き渡されるという見方が出ているが、中国軍の空母運用能力については懐疑的な分析が多い。23日付の英字紙チャイナ・デーリーによると、中国海軍に近い関係筋は「特に夜間の飛行能力についてパイロットの技能向上に時間が必要だ」と述べ、技術不足を認めた。
国産空母の正式名称は公表されていない。排水量約5万トンの遼寧を基に設計され、動力は原子力ではなく通常型。艦載機はスキージャンプ型と呼ばれるそり上がった船首甲板から発艦する。
(2018/4/24 11:30)