[ オピニオン ]
(2018/4/30 05:00)
休日に地方を巡ると、その都度、高速道路のサービスエリア(SA)や、道の駅のにぎわいに驚かされる。最近はどこにも地場野菜など生鮮品の産直コーナーが設置され価格は都心より割安。特産品や催しもあり、見るだけで楽しい。ここを旅の目的とする人がいることにも納得する。数年前に旅した米国では、簡素なSAに落胆したことを思い出す。
ついでに周辺地域も見て回る。すると、趣ある町並みに巡り合うこともしばしば。蔵や明治期の建物などが残る様子に、好奇心がくすぐられる。
ただ、その街の多くは、道の駅とは打って変わって人影が見当たらない。閑散とした様子に「もったいない」と感じつつ「このままでは文化的価値ある建物もなくなってしまうのでは」と危惧する。
最近は自転車で田園風景を巡るツアーなど、インバウンド(訪日外国人観光客)向けの“田舎コンテンツ”が人気らしい。地元の人は単なる日常の風景になぜ集客力があるのか、不思議に感じるようだ。
インターネットを介し世界中がつながる今こそ、日常の風景が魅力となり経済活力の源となる。日本独特のロードサイド文化と周辺観光の組み合わせに、地域活性化のヒントを見い出せないだろうか。
(2018/4/30 05:00)