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[ エレクトロニクス ]
(2018/5/14 13:30)
【ニューヨーク=時事】米事務機器大手ゼロックスは13日、富士フイルムホールディングスによる買収合意を破棄すると発表した。買収に反対していた大株主2人と和解し、ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)のほか、取締役5人が辞任した。二転三転した富士フイルムの買収計画は白紙に戻る可能性がある。
大株主の著名投資家カール・アイカーン氏らは和解を受け、株主総会に向けた委任状争奪戦や経営陣に対する訴訟を取り下げる。富士フイルムとの訴訟は続ける。アイカーン氏は声明で「浅はかな計画を終わらせることができて大変うれしい」と述べた。
ゼロックスは合意破棄の理由として、富士フイルムが子会社の富士ゼロックスの監査済み財務諸表を期限までに提出しなかったことを挙げた。一方で「(買収)手続きの完了を阻む他の事情も考慮した」としており、大株主の反対が影響したことも示唆した。富士フイルムは富士ゼロックスとゼロックスを経営統合し、ゼロックス株式の過半数を取得する計画だった。
アイカーン氏らが推した新経営陣が、ゼロックスの今後の経営方針を決める。米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントが買収に関心を示していると報じられており、富士フイルムに代わる身売り先が見つかる可能性もある。
ゼロックスは今月1日、アイカーン氏らと和解する方針を決めたが、条件が整わず和解が成立しなかった。4日には裁判所の買収手続き一時差し止め命令を不服として上訴するなど、短期間に方針変更を繰り返していた。
富士フイルムは賠償請求も
富士フイルムホールディングスは14日、米事務機器大手ゼロックスの買収合意破棄を受け、同社に抗議するとともに、損害賠償請求を含め適切な手段を取るとの声明を出した。ゼロックスは同社を富士フイルムが買収することに合意していたが、13日(米国時間)に破棄すると発表した。
声明では「ゼロックスには一方的に契約を終了する権利はない」と批判した。
声明ではこのほか、1月末に合意した買収計画について「経済条件を含め適正に協議されたものだ」と正当性を主張。「ゼロックスの未来にとって最良の選択肢であり、再考を求めていく」と強調した。(時事)
(2018/5/14 13:30)