[ オピニオン ]
(2018/5/16 05:00)
市場を訪れる楽しみは食べ歩き。千葉県北部で最大の成田市場ですしを食べた。もう一軒はしごする予定だったが、年のせいか、おなかが一杯で断念した。
東京・築地市場や豊洲新市場と比べると、規模ははるかに小さいが、注目すべき点は地の利を生かし、輸出拠点機能を持たせることで、再生の糸口を見い出そうとしている点だ。老朽化が進んでいることから、成田国際空港の隣接地に移転拡張し、2020年から供用を始める。
輸出手続きをワンストップ化するのが特徴で、英国で日本産農作物を試験販売する際には90分で完了した。卸売価格が1個930円の千葉県産和梨が同3600円で売れるなど、輸送コストをプラスしても、日本産の特徴ある青果物の販売は好調だった。
成田市の担当者は「手応えを感じている。日本の農林水産物全体の輸出増加につなげたい」と言葉にも力が入る。東京五輪・パラリンピックには多くのインバウンド(訪日外国人観光客)が訪れる。日本の農林水産物を世界に知らしめる絶好の機会だ。
トランジットの際にも活用できるため、飲食店やイベントが充実すれば魅力のある観光資源になる。国内の観光客も呼び込めれば地域の活性化にもつながるだろう。
(2018/5/16 05:00)