[ 自動車・輸送機 ]

【電子版】車販売のピーク2031年に、英調査会社が予測 エネルギー自立型EVも実用化へ

(2018/5/21 14:00)

  • IDTechExによる年間自動車販売見通し(同社提供)

 電気自動車(EV)に代表される電動車の市場拡大とともに2026年にはガソリン車をはじめとする内燃機関自動車の世界販売がピークを迎え、31年には自動車販売そのものがピークに達する――。そうした予測を英国のハイテク調査会社IDTechExがまとめた。車の年間販売台数が天井を打つと見られるのは、配車サービスやシェアリングの進展により車の個人保有が減ると見られるためだ。

 同社の予測によれば、プラグインハイブリッド車(PHEV)が17年の38万2000台から10年後の27年には1230万台と約32倍にまで大幅増加。それに対し、バッテリー式電気自動車(BEV)も67万8000台から697万台に10倍増となるが、ハイブリッド車(HEV)は162万3000台から464万3000台と伸びが鈍ると見ている。

 中でも欧州中心に、2025-30年という当面の厳しい二酸化炭素(CO2)排出規制に適応しつつ従来の駆動機構(パワートレイン)が流用でき、通常のハイブリッド車に比べて価格も抑えられる48ボルト系のマイルドハイブリッド車が暫定的に広がると見ている。また、中国は純粋なEVを志向し、EVの電動バスではとくに中国の補助金による普及策が市場全体をけん引するという。

 こうした状況から、バッテリー以上にパワーエレクトロニクス関連の技術やコンポーネントがより重要になると指摘。駆動用モーターや発電機、DC/DCコンバーター、制御機器、バッテリーの安全・最適化、充送電、炭化ケイ素(SiC)および窒化ガリウム(GaN)モジュールなどがそこに含まれる。

 さらに、排熱やブレーキ時のホイール回転からエネルギーを取り出す回生技術の進展もカギになるとし、駐車時も含め太陽光・赤外線を電気に変換する太陽電池パネル、タイヤも含めた熱や車体の振動、走行中の風圧などを電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスティング技術、回転運動でエネルギーを保存するフライホイールなどを応用したエネルギー自立型電気自動車(EIEV)が将来、実用化されると予測。とくに走行中に電磁波でバッテリーに電気エネルギーを供給するダイナミックワイヤレス充電がEIEV実現に向けた大きなステップになるとした。

(2018/5/21 14:00)

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