[ オピニオン ]
(2018/6/1 05:00)
漫画や動画の「海賊版」サイトに対する対応が注目されている。NTTグループ3社(NTTコミュニケーションズ・NTTドコモ・NTTぷらら)は、海賊版サイトに対するブロッキングの準備を行うという。
憲法21条の「通信の自由」に抵触するおそれや、「電気事業通信法」に違反する危険性をはらんでいるのはいうまでもない。それでも、NTT側は「ネット社会の『自由』や『オープン性』を守るために、ネットのある意味での『無法地帯状態』を放置しておきたくない。何らかの形で(海賊版サイトに対する)取り組みをやりたいという強い思いがある」としている。
この対応をどう見るかは議論が分かれている。既存の法に抵触する以上に、NTTとしては犯罪行為を放置するリスクの方が高いと判断したのではないか。
インターネットを活用したビジネスがここ10数年の間に爆発的に伸び、生活の利便性が格段に向上したのは間違いない。一方で、デジタル社会のさまざまな課題が浮上してきた。今回の「海賊版」サイトへの対応もその流れの一つに位置づけられる。
政府はもちろんだが、国民一人ひとりがデジタル社会のあり方について整理する良い機会なのかもしれない。
(2018/6/1 05:00)