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[ エレクトロニクス ]
(2018/6/1 12:00)
米中の通商紛争の渦中にある中国の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)は、最高幹部クラス1人の異動に踏み切った。これは中国が米国に譲歩する姿勢を示す動きの可能性がある。
社内の決定だとして匿名を条件に語った複数の関係者によると、ZTEの非常勤取締役で中国航天科技集団傘下のシンクタンクを率いる田東方氏は既に、共産党委員会書記に就任している。中国の習近平国家主席が共産党が全てを仕切る方針を示す中で、最終的な責任を担う役職とされる。
イランなどへの違法輸出を巡る合意条件に違反したとして米国は4月、ZTEに米国製半導体・部品の購入を7年間禁止する制裁措置を発動したが、中国はその解除に向けて米国の説得を試みている。トランプ大統領は先週、13億ドル(約1400億円)の罰金支払いと経営陣と取締役のメンバー交代を条件に事業再開を認める意向を示した。田氏の党委書記への起用が、ZTEへの対応で意見が割れる米政界をなだめる狙いがあるのかは不透明だ。
ZTEの広報担当者にコメントを求めて電話をかけたりメッセージを送ったりしたが、返答はなかった。(ブルームバーグ)
(2018/6/1 12:00)