[ オピニオン ]
(2018/6/14 05:00)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士の金井宣茂さんが国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在を終えて地球に帰還し、リハビリ中だ。日本に帰国後の15日に、JAXA施設でリハビリの様子を公開する。そこで元気な姿を見せてくれるだろう。
金井さんは科学実験や船外活動など多くの任務をこなした。マウスの飼育や超小型衛星の放出は日本実験棟「きぼう」での成果で、世界から注目を集めている。
3月に国際宇宙探査の方向性を打ち出す閣僚級会議が東京で開かれ、宇宙探査への議論が各国で加速。日本は有人滞在技術などの得意分野で貢献して、国際宇宙探査で優位な地位を占めたいところだ。
一方、宇宙科学探査を担うための国の予算が年々減少している。内閣府の宇宙政策委員長代理を務める千葉工業大学惑星探査研究センター所長の松井孝典さんは「宇宙探査のための一定額の予算確保が必要」と基盤的経費の重要性を訴える。
金井さんのISSでの活躍は国民に夢を与えた。今後“次期ISS”と見られる月近傍有人拠点や月、火星へと探査を続けるには安定した資金が必要になる。JAXAや政府は国民に宇宙での成果をしっかり発信することが求められる。
(2018/6/14 05:00)