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[ 商社・流通・サービス ]
(2018/6/14 11:00)
米コムキャストは、21世紀フォックスの多くの資産を取得するための買収案を提示した。提案内容はウォルト・ディズニーを上回り、買収合戦の様相を呈している。
コムキャストの現金での買収案はフォックスの娯楽資産を650億ドル(約7兆1700億円)と評価。同社は13日の発表資料で、1株35ドルの買収案はディズニーの提案に19%の上乗せになると説明した。
コムキャストが買収案提示に動いた背景には、米裁判所が12日、米AT&Tによるタイム・ワーナー(TW)買収差し止めを求めた米司法省の訴えを退けたことがある。
ディズニーとコムキャストが獲得を目指している娯楽資産には、映画・テレビ番組制作スタジオやFXといったテレビのネットワーク、英スカイなどが含まれる。コムキャストのブライアン・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は今回の買収案で、フォックスの資産を活用して既に膨大な娯楽資産のさらなる増強を図るディズニーのロバート・アイガーCEOの計画を阻止しようとしている。
コムキャストがフォックスに初めて買収を打診したのは昨年で、非公式なものだった。フォックスのメディア資産に対する買収提示額はディズニーより16%高かったが、リスクが高いとみなされた。ただ、AT&Tがタイム・ワーナー買収を巡り勝訴したことで、こうした懸案の一部は取り払われた。
当時のコムキャストからの提案は違約金の提供が記載されていなかったことも、フォックス側へのアピールを欠いた。コムキャストは先月、新たな提案はフォックス株主にとってディズニーの条件と少なくとも同程度に好ましいものになると説明。13日に公表した提案には25億ドルの違約金が盛り込まれた。
ディズニーはフォックスの資産を全て株式交換を通じて買収(524億ドル規模)することを提案し、昨年12月に合意した。コムキャストが正式に買収案を提示したことで、ディズニーには条件引き上げの圧力がかかる。(ブルームバーグ)
(2018/6/14 11:00)