[ オピニオン ]
(2018/6/18 05:00)
「ソサエティー5・0」実現に向けたイノベーションの決意を、官民で共有したい。
政府は15日、「未来投資戦略2018」を閣議決定した。成長戦略の中核として昨年、初の戦略を策定しており、これをアップデートしたもの。経団連などがビジョンとして掲げるソサエティー5・0に加え、「データ駆動型社会」を目指す各分野の施策を明示した。
政府の全領域に関わる戦略だけに、総花的になるのはやむを得ない。ただ、政権の中核が、こうした意欲を持ち続けることは社会変革を推し進めることにつながろう。何より大事なのは、かけ声だけでなく実際に政府の各機関や産業界を動かすうねりを生み出すことだ。
未来投資戦略2018では、複数の重点分野で「産官協議会」を新設し、現場のプレーヤーを加えた形でプロジェクトを推進するとしている。有識者にとどまらず、産業界の第一線の批判や要望が反映されることを期待したい。
個々の施策の中には、注目すべきものがいくつかある。例えば理系・文系にとらわれず、すべての大学生がデータサイエンスを履修できる環境の実現は、データ駆動の時代に必須の人材育成につながる。外国人材の受け入れを拡大し、国内の人手不足を補う施策は産業界の悲鳴に応えたものであり、中小企業でも雇用しやすいルール策定が望まれる。
また「競争政策のあり方の見直し」に踏み込んだことも特筆される。グローバル競争や地域の人口減少の中で、単純に国内企業同士に競争を強いることがベストかどうかは判断が分かれるところだ。政府としての考えを18年度中にまとめるとしており、企業の成長を妨げないような方針を決めて欲しい。
安倍晋三政権が再登場してから打ち出した成長戦略も、満5年を経過した。これまでの施策で得られた成果の検証にも、もっと力を入れるべきだ。第四次産業革命やソサエティー5・0の実現を現政権だけの施策とせず、官民で共有する長期目標にしなければならない。
(2018/6/18 05:00)
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