[ 自動車・輸送機 ]

【電子版】アストンマーティン、高性能「ラピードAMR」生産開始へ 限定210台

(2018/6/19 16:00)

  • アストンマーティンの新型セダン「ラピードAMR」(同社提供)

  • 最高出力は433kW(588PS)、価格は24万ドル(約2660万円)とテスラ「モデルS P100D」の2倍(同社提供)

  • 生産台数は世界限定210台。納車開始は第4四半期の見込み(同社提供)

 英アストンマーティンは、新型セダン「ラピードAMR」の生産を年内に開始すると発表した。この車には優れた新たな特徴がたくさんある。ラピードAMRは車体にレーシングストライプが入っていない標準モデルよりも高性能で、価格も24万ドル(約2660万円)とかなり高い。この車は昨年のジュネーブ自動車ショーで披露されたコンセプトカーを製品化したものだ。

 ラピードAMRは「DB11 AMR」に続き、成功著しいアストンマーティン・レーシング(AMR)チームと公道仕様車の橋渡しをすることが目的だ。同モデルが搭載するV型12気筒エンジンの馬力は580馬力(bhp)と、標準モデルを28馬力上回る。

 ただ、標準モデルである20万5000ドルの「ラピードS」の方が、世界で最も有名なアストン車のオーナーであるスパイ映画「007」シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドが乗る車によく似ている。しかも、同モデルの静止状態から時速60マイル(約96キロメートル)に達するまでに要する時間は4.2秒と、ラピードAMRと全く同じだ。果たしてラピードAMRの高性能により高い金額を支払う価値があるだろうか。

  • コンソールはカーボンファイバー製(同社提供)

 恐らくその価値はないだろう。ラピードAMRは新たな機能もかかわらず、静止状態から時速60マイルまでの加速時間はテスラ「モデルS P100D」(12万3200ドル)の2.5秒や、「ポルシェ・パナメーラ・ターボ・スポーツ・ツーリスモ」(15万4000ドル)の3.6秒に及ばない。

 アストン幹部はラピードAMRについて、非の打ちどころがない「アストンマーティン・ヴァンテージGT12」のような乗り心地だと述べている。ラピードAMRは210台限定で生産されるため、その主張が正しいのか実際に確かめられる人は数少ない。当面はテスラ車を買った方が良さそうだ。(ブルームバーグ)

(2018/6/19 16:00)

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