[ オピニオン ]
(2018/6/27 05:00)
わが子が通う保育園を初めて半日見学した。通園する0―6歳児の日常を知りたかった。そこは大人の常識などまるで通用しない場所だった。
まず室内で遊ぶ時間。窓のそばから離れず外への“脱出”をうかがう子がいれば、遊具に夢中で誰とも関わらない子、早くも朝寝を決め込む子とまったくまとまりがない。屋外に出ても数人でかくれんぼをする子、一人で滑り台を何回も滑って喜ぶ子、水道の蛇口を熱心に観察する子とそれぞれ勝手気ままだ。
昼食時は、食べるテーブルの陣取りで小競り合いが起こり「先生、お代わり」の声もあちこちから聞こえる。座る場所を確保できず泣き出した子もいる。「毎日、この時間は戦争なんです」と保育士の一人はこぼす。
保育士は一瞬たりとも気が抜けない。常に一人ひとりに目を配り、個性を見極めつつ、その場その場で判断と迅速な対応をしなければならない。過酷な労働環境ゆえに保育士不足というのもうなずける。
とはいえ、保育士の影響力は強いのは確かだ。子どもがのびのび育つか、厳しいしつけで型にはまるかは、日頃の保育士の接し方に負うところが大きい。親として、「教育とは何か」をあらためて考えさせられる一日だった。
(2018/6/27 05:00)