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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/7/9 12:30)
【ロンドン=時事】英自動車最大手ジャガー・ランドローバー(JLR)のラルフ・スペス最高経営責任者(CEO)は、英国が何の合意もないまま欧州連合(EU)から強硬離脱すれば、年間約12億ポンド(約1800億円)の通関費用が追加でかかり、英国での操業が困難になると訴えた。英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。
JLRが生産を国外に移転すれば、英自動車産業には大打撃となる。独大手BMWや欧航空機大手エアバスも強硬離脱の回避を相次いで求めている。
同CEOは、EU離脱時の不測の事態への対応計画策定に既に約1000万ポンド(約15億円)を費やしたと明かした。さらに、英国での人材確保の難航にも直面することになり、「会社を救うため」に国外への移転も検討せざるを得なくなると説明した。
同CEOは「われわれは英国に残りたい。JLRの身も心も英国とともにある」と強調した上で、「もし国外に出て行くことを余儀なくされれば、工場を閉鎖しなければならない。そんなことはしたくない」と語った。
また、「誰かを脅すつもりはないが、離脱に関して予見可能性が必要だ」とも指摘し、暗に政府の対応方針を批判した。
JLRはインド企業傘下の高級自動車メーカー。英国で約4万人を雇用しているという。
(2018/7/9 12:30)