[ オピニオン ]
(2018/7/25 05:00)
ボーナス支給の時期だ。経団連調査では、東証1部上場の主要大手企業251社の2018年夏期賞与・一時金の総平均支給額は96万7386円。前年より6・71%増えた。
一方、中小企業の事情は厳しい。愛知中小企業家同友会が会員企業を対象に実施した今夏の正社員への賞与支給調査によると、賞与を「支給する(支給した)」と回答した企業は77%。その単純平均支給額は32万4636円だった。
17年夏より、支給するとの回答は8ポイント増え、単純平均支給額も5%増えた。しかし「支給しない(支給しなかった)」との回答も12%。支給する企業でも「増額」は35%に留まり、「減額」も9%ある。
製造出荷額日本一の愛知県だけに、製造業での回答は「支給する」が85%と全体平均を上回った。ただし製造業でも支給額を増額するのは37%に過ぎない。逆に「減額する」は12%。中小企業では収益力の二極化が進んでいると言えるかもしれない。
中小企業は日本の産業を支えていると言われ続けてきた。しかしボーナス事情からは好景気での大手と中小の格差拡大が読み取れる。しかも本調査は会員約4000社中、回答は865社。「回答したくない」経営者もいよう。真の実態は計り知れない。
(2018/7/25 05:00)