[ オピニオン ]

産業春秋/メード・イン・オキナワの存在感

(2018/7/30 05:00)

夏真っ盛りの沖縄。人気観光地はすでにピークシーズンに突入した。同時に7月は製造業にとっても“熱い”1カ月。沖縄の製造加工品の利用を薦める「県産品奨励月間」だ。

歴史は本土復帰前の1954年にさかのぼる。当時の琉球政府、琉球工業連合会などを旗頭に「島」産品の愛用を訴えたのが始まり。戦災から立ち直る中で、県内消費において輸入品に負けない品質の向上などが狙いだった。

現在は沖縄県、県工業連合会(那覇市)はじめ19団体を挙げた活動に。関係機関への要請やイベントを通じた広報で活発に動く。今年は台風で中止したものの、皮切りとして関係者約250人で繁華街の国際通りを練り歩くのが恒例だ。

飲食料品や建材が多くを占める沖縄の製造品。近年は少し様変わりした。経済特区地域を中心に、精密機器や医療器具の中小メーカーが立地。全体に占める出荷額はわずかだが、地の利を生かした県外移出・輸出で存在感を増す。

今年のスローガンは「世界へとどけ」。地場でも「オリオンビール」など飲食品の輸出は積極化し、工業界の台湾との交流も年々深まる。かつて輸入品に押されたメード・イン・オキナワが、海外で高品質の代名詞になる日も近いか。

(2018/7/30 05:00)

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