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[ 建設・住宅・生活 ]
(2018/8/5 12:30)
人類史上最大規模のトイレ設置作戦がインドで展開されている。その恩恵が国民のみならず企業にも広がっている。
モディ首相が掲げる200億ドル(約2兆2200億円)規模の「クリーン・インディア」は、5年で1億1100万カ所にトイレを設置することが目標。この取り組みは数億人の国民の健康と安全、それに尊厳を高めるだけはない。ユーロモニター・インターナショナルによれば、コンクリート建材の売り上げが81%急増し、バスルーム・衛生陶器の販売も48%増えた。
インド最大のコングロマリット、タタ・グループや日用品メーカーの英レキット・ベンキーザー・グループなどがそうした恩恵を受けている。
インド独立の父、マハマト・ガンジーの生誕150年に当たる2019年10月までに屋外での排せつ行為をなくすとモディ首相が14年に表明して以来、推計8000万ほどの家庭用トイレが設置された。こうしたトイレ普及と全国的なキャンペーンにより、インドのトイレ関連商品市場は21年まで620億ドル規模に倍増すると予想されている。
「生活習慣を変える世界で最大かつ最も成功しているキャンペーンだ」と指摘するのはロンドン・スクール・オブ・ハイジーン・アンド・トロピカル・メディシンの環境衛生グループのディレクター、バル・カーティス氏だ。同氏は実際にインドでこのプログラムに取り組んでいる。
インドの映画界、いわゆるボリウッドのスターも協力している。「トイレット:ある愛の物語」と題された衛生観念の向上を狙った映画に出演した俳優のアクシャイ・クマール氏は7月、レキット・ベンキーザーのトイレ用洗剤「ハーピック」のブランド大使に起用された。
(2018/8/5 12:30)