[ オピニオン ]
(2018/8/24 05:00)
猛暑が続く中、2年後に控える東京五輪の暑さ対策が話題を呼んだ。道路の遮熱性舗装など具体策も講じられたものの、秋が近づくにつれ、議論が沈静化しつつある。だが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のは、五輪に限った話ではない。
6月に最大震度6弱を記録した大阪北部地震では2府3県でエレベーターの稼働台数の約半分が緊急停止した。復旧には保守員の点検も必要なため、完全復旧までには約3日かかった。
対応遅れを指摘する声もあったが、エレベーターメーカーは「復旧していないといっても、ビルに3台あるうちの1台が動いていないとか、そういう状況。そもそも我々にも限界がある」と漏らす。
企業側はあくまでも保守管理を担っているにすぎない。エレベーター各社はIoT(モノのインターネット)活用で保守管理を効率化しているが、老朽化したエレベーターは対応していない場合もあり、点検管理の手間も増える。機種更新を提案しても、費用面でオーナーが断る場合も少なくないという。
「国が更新に補助を出すなどの制度を作ってもらえれば」と担当者はこぼす。とはいえ、地震のみならず、酷暑、台風と列島を襲うだけに諦め顔。企業の自助努力にも限界がある。
(2018/8/24 05:00)