[ オピニオン ]
(2018/9/12 05:00)
近年、ゴミとして投棄されたプラスチックが問題となっている。日本は、6月のシャルルボワサミットで米国とともに「海洋プラスチック憲章」に署名しなかった。四方を海に囲まれ、刺身や寿司などの生魚をたくさん食べる日本国民は海洋のプラスチック汚染に関して敏感だ。政府にもいろいろ事情はあるのだろうが、廃プラスチックの適正な回収や低コストの再利用技術などを磨いて各国をリードしてほしい。
田舎で暮らしていた子供のころ、納豆や豆腐は自転車で売りに来た。ラッパの音を聞いて買いに行くと、納豆は経木にくるんでくれ、豆腐は桶を持って買いに行った。買い物は竹を編んだ買い物籠を持って出かけた。それらがいつのころからかプラスチックの包装や瓶になり、買い物は手ぶらでいってもポリ袋に入れてくれるようになった。
プラスチックできっちり包装された食品は衛生的だし、軽くて、たくさん買っても持ち運びしやすい。なんて便利なのだろうと思った。
しかし、軽いプラスチックは雨が降ると川に流され、最終的に海に至る。海岸に打ち上げられたプラスチックゴミが景観を台無しにするのはよく見かける光景だ。だが、もっと深刻なのは海で生活する生き物たちに被害を与えていることである。
海に流れ込んだプラスチックの一部は太陽光や波の力で細かく砕かれ、5ミリメートル以下のマイクロプラスチックになり、海鳥や魚が餌と間違えて食べてしまうという。実際に海鳥や魚類、クジラ、貝類などを解剖すると、マイクロプラスチックがかなりの比率で消化器の中に入っているそうだ。マイクロプラスチックを食べて満腹になれば栄養不足になる。また、研究者はプラスチックに添加された化学物質の影響も懸念されるという。
こうした問題の顕在化に伴い、企業の中にはペットボトルのロールラベルを小さなシールに替える、飲料のストローを紙製にする、歯磨き粉や化粧品などに含まれているマイクロビーズをやめるといった動きも出てきている。
(2018/9/12 05:00)
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