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[ 科学技術・大学 ]
(2018/10/2 21:00)
スウェーデン王立科学アカデミーは2日、2018年のノーベル物理学賞を、レーザー光で細胞などを捉えて動かす「光ピンセット」を開発した元米ベル研究所のアーサー・アシュキン博士(96)ら米仏カナダの3氏に授与すると発表した。
アシュキン氏は、2007年に経済学賞を受賞したレオニド・ハービッツ氏の90歳を上回り、史上最高齢の受賞となる。授賞理由は「レーザー物理学の分野における画期的な発明」。
他の2氏は、レーザー光を圧縮、増幅してごく短いパルスにし、瞬間的に高い出力にする「チャープパルス増幅法(CPA)」を開発した仏理工科学校のジェラール・ムル名誉教授(74)とカナダ・ウォータールー大のドナ・ストリックランド博士(59)。同博士は、マリー・キュリー氏らに続いて3人目の物理学賞の女性受賞者となる。
アシュキン氏は1980年代、レーザー光をレンズで集めて照射し、光の圧力で細胞や粒子などを動かす光ピンセットを開発。ウイルスや細胞などを生きたまま調べることを可能にした。
ムル氏らは80年代にCPAを開発。生成されるパルスレーザーは照射部位以外へのダメージが少なく、極めて正確に切断できるため、目の手術などにも応用されている。
授賞式は12月10日にストックホルムで行われる。賞金900万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)はアシュキン氏に半分、残り2氏に4分の1ずつ贈られる。(時事)
(2018/10/2 21:00)