[ ICT ]
(2018/10/25 12:30)
【ベルリン=時事】米IT大手グーグルが、ベルリンに計画していた起業家支援のための大規模な拠点の開設を断念したことが24日、分かった。地元メディアが報じた。拠点を計画する地区の中心部クロイツベルクの文化に合わず、地価高騰にも拍車が掛かると、地元で反対の声が上がっていた。
グーグルは2016年11月、事務所やカフェなどが入居する「グーグルキャンパス」の開発計画を発表していた。同社はベルリン事務所を別の地区に構えている。
クロイツベルクは旧西ベルリンの東端で、かつて「壁」があった地区。アーティストや反体制の若者らが独特の文化を築き上げた歴史があり、巨大IT企業の進出に反対が強かった。グーグルの担当者は地元紙に、抗議による断念ではなく「地元に最適な判断をした」と語った。
反対派はインターネットのサイトで、グーグルが個人情報収集などで「世界中で人権侵害に加担している」と批判。同社の本社が近いサンフランシスコは「世界で最も(地価が)高い街になった」と訴えていた。
(2018/10/25 12:30)