[ オピニオン ]
(2018/11/9 05:00)
スポーツの秋。運動とはほど遠い生活が10年以上続き、不摂生でたるんだ体を今年こそはどうにかしたい。健康のためと理解しつつも、きっかけはつかめないまま。健康診断の結果に毎年心を痛める。
重い腰が動きそうな朗報が舞い込んできた。運動の際に収集した歩行や移動のデータを提供すれば、対価として金銭などを享受できるサービスだ。三菱UFJ信託銀行が2019年度の実用化を目指し、実証実験を進めている。
サービスの仕組みはこう。センサーを取り付けたスニーカーを履いて運動すると、スマートフォンにデータを記録。データは本人が同意すれば、三菱UFJ信託銀を介して企業に提供される。
企業は消費者や顧客となりうる個人の情報を容易に集められ、商品・サービス開発に向けたマーケティングの精度が高まりそう。個人の好みに合わせたサービス提案も可能だ。個人データの利活用を担うサービスは「情報銀行」と呼ばれる。
情報銀行には電機メーカーやIT企業なども熱視線を送り、サービス競争の激化が予想される。データの安全な保護策も含め、実用化への期待は大きい。サービスを利用する立場として、まず他人に見られても恥ずかしくない行動を心がけよう。
(2018/11/9 05:00)