[ ICT ]
(2018/11/12 13:30)
欧州最大のテクノロジー企業の独SAPは、ソフトウエア会社の米クアルトリクス・インターナショナルを現金80億ドル(約9100億円)で買収することに合意した。クアルトリクスが計画する新規株式公開(IPO)計画の機先を制した形だ。
12日の発表資料によると、SAPのビル・マクダーモット最高経営責任者(CEO)率いるSAPは、買収資金と関連費用を賄うため70億ユーロ(約9000億円)のファイナンスを確保した。ブルームバーグの集計データによると、SAPにとっては、2014年のコンカー・テクノロジーズ買収(72億ドル)を抜いて過去最大の取引となる。
クアルトリクスは顧客の調査や従業員感情の分析を行うソフトウエアを開発しており、18年の売上高は4億ドルを超える見通し。今後の成長率は40%超と予想。同社は先に2億ドル規模のIPO計画を申請しており、17年の資金調達では25億ドルの企業価値と評価されていた。同社顧客リストにはマイクロソフトやジェットブルー・エアウェイズ、ゼネラル・エレクトリック(GE)などの名前が並ぶ。
SAPは19年前半の取引完了を見込んでおり、クアルトリクスはSAPのクラウドビジネスグループの傘下で運営される。クアルトリクスのライアン・スミスCEOは引き続き同社を率いる。(ブルームバーグ)
(2018/11/12 13:30)