[ オピニオン ]
(2018/11/15 05:00)
休日、自宅のある大阪から京都に行く時は京阪電鉄を使う。大阪・京橋―京都・七条間の途中駅をすべて通過する快速特急に乗るためだ。44キロメートルに及ぶノンストップ体験に「乗り鉄」ならずともワクワクする。
二十数年前の京都での学生時代、電車で大阪に行くのは常に楽しみだった。JRの新快速の停車駅は京都、新大阪、大阪だけで、阪急京都線の特急も京都・大宮の次は大阪・十三まで停まらなかった。当時の京阪特急の七条―京橋間を含め、どの路線を選んでも途中を全部すっ飛ばす独特の高揚感があった。
約10年前、縁あって再び京都で暮らした。京阪特急は七条―京橋間で途中、4駅も停まるようになり、阪急特急の停車駅は昔の急行並みに増えた。JR新快速も停車駅が多くなり、かつての高揚感はもう味わえないと残念に思った。
その後、京阪は「洛楽」、阪急は「京とれいん」と称する快速特急の運行を開始。主に休日に本数限定で走るため乗れる機会は限られるが、形を変えたノンストップの復活は朗報だった。
秋が深まり、もうすぐ紅葉狩りの季節。沿線の紅葉スポットの見頃情報を示した恒例のポスターが各駅に掲示され始めた。紅葉と高揚をともに楽しめる週末が続きそうだ。
(2018/11/15 05:00)