[ オピニオン ]
(2018/11/26 05:00)
千葉県香取市・佐原(さわら)は利根川水運で繁栄した街。街中や小野川沿いに残る古い街並みを見ると「江戸優り」と言われるまで栄えた往事を思い起こす。
これらの古民家を活用して地域経済を活性化しようと、京葉銀行などはファンドを組成し、同市で観光事業に取り組む企業を支援する。昨年に1泊2日で訪れた際には宿泊施設を探すのに苦労したが、現在は高級ホテルからドミトリーまであり、受け入れ体制は整っている。
名物のうなぎを食べに行ったこともあるが、地元の食材を生かした「佐原料理」レストランもオープンした。料理を監修するのは有名シェフの石井之悠(しゅう)氏で「おいしい野菜がたくさんある。ブランド化できればいい」と言葉にも力が入る。古民家を再生した店舗も増えており、街を舞台とすれば役者もそろいつつある。
成田国際空港に降りるインバウンド(訪日外国人)が他の観光地に行く前に立ち寄ってもらいたいが、そのためには広域的な連携が必要になる。特に回遊するのに必要な交通インフラの拡充は、必要不可欠だ。
とはいえわざわざ電車やバスを乗り継ぎ、不便な思いをして遠方に釣りに行くこともある自分からすれば、多少不便な旅の方が思い出に残るといいたい。
(2018/11/26 05:00)