[ オピニオン ]
(2018/11/30 05:00)
何かと話題の「ふるさと納税」。熊本県玉名市は日本人初の五輪マラソン選手にちなんだランニング足袋を返礼品のラインアップに加えた。箱根駅伝の提唱者で、足袋を履いて当時の世界記録を樹立するなど数々の伝説を残した金栗四三(かなくり・しそう)は同市出身。
1912年のストックホルム五輪に出場したが暑さで脱水症状になり途中で倒れ「行方不明」となる。その後、67年に同地で開かれた記念行事に招待された際、スタジアムを走りテープを切った。主催者側は「ただいま五輪全日程がこれにて終了しました」と粋なアナウンスを行った。続けて発表されたマラソンタイムは「54年8カ月6日5時間32分20秒」。
当時の日本人ランナーや小学校の運動会で履いていたゴム底の足袋は「金栗足袋」と呼ばれた。それがランニング足袋「KANAKURI」として1世紀ぶりに復活した。
開発したのは地元の自営業者と小紙でも取り上げた埼玉県行田市の足袋メーカー「きねや足袋」。同社のランニング足袋は故障に悩むランナーから熱い支持を受けている。
折しも、2019年のNHK大河ドラマは金栗が主人公の『いだてん』と決まった。再来年の東京五輪に向けて期待が高まるが、暑さ対策は万全だろうか。
(2018/11/30 05:00)