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(2018/12/3 05:00)
モノづくり日本会議と日刊工業新聞社は「第15回/2018年超モノづくり部品大賞」の贈賞式を都内のホテルで開いた。大賞に輝いた日立製作所の「超音波探触子」など、合計37社36件に各賞が贈られた。
日立は半導体技術を用いて体内の浅部から深部まで鮮明な画像の撮影を実現したことが評価された。河野敏彦ヘルスケアビジネスユニットチーフエグゼクティブ(写真右)は「世の中で誰も実現したことのない技術で、お手本のないモノづくりへの挑戦だった。日立グループの協力を得て課題を克服し、技術の限界を突破できた」と述べた。
審査アドバイザーを務めた芝浦工業大学の小口泰平名誉学長は「伝統的な英知の追求とともに新たな領域へのチャレンジが目立った」と講評した。
モノづくり日本会議、総会・シンポ開催
モノづくり日本会議は、第11回通常総会を東武ホテルレバント東京(東京都墨田区)で開催した。総会では2017年度(17年10月―18年9月)の収支報告と18年度(18年10月―19年9月)の事業計画・予算について原案通り承認した。
18年度は「新モビリティー研究会(仮称)」を新たに立ち上げる。大学や研究機関の専門家らと連携し、100年に一度の変革期に直面している自動車産業の課題やビジネスチャンスなどの研究を進める。記念シンポジウムでは、国立情報学研究所の山田誠二教授(写真)が「人工知能AIの現状と人間 AI協業に向けて」と題して講演した。
超モノづくり部品大賞/喜びの声
「第15回/2018年超モノづくり部品大賞」の贈賞式には受賞部品を手がけた関係者が集まり、受賞の喜びを分かち合った。
超モノづくり部品大賞
日立製作所ヘルスケアビジネスユニットチーフエグゼクティブ・河野敏彦氏「医療課題を解決」
半導体技術を用いた探触子は鮮明な画像が得られ、病気の早期発見や質的診断に役立ち、検査者のワークフローが改善される。日本発の画期的な探触子を海外に展開して、世界の医療現場の課題を解決していきたい。
モノづくり日本会議共同議長賞
ローム取締役・松本功氏「新たな価値提供」
我々の持つ要素技術が評価され、受賞したことを大変うれしく思う。今回の超高速パルス制御技術を搭載した電源ICは、当社のエンジニアが培ってきた技術の結晶である。今後も若いエンジニアらが続いて、社会に新たな価値を提供できる技術を開発していきたい。
ものづくり生命文明機構理事長賞
ノリタケカンパニーリミテド執行役員・永田滉氏「新分野を視野」
2年前に頂いた部品大賞に続き、今回も大変光栄な賞を頂いた。当社のマイクロバブル技術は現在、工業製品を中心に展開しているが、受賞を機に今後はバイオ分野など新分野を視野に入れ、技術の可能性を広げていきたい。
日本力(にっぽんぶらんど)賞
日立金属執行役パワーエレクトロニクスマテリアルズ事業推進室長・植村典夫氏「材料で社会貢献」
アモルファスブロックコアは高周波環境でも鉄損が少なく、小型にできる点を評価して頂いたことがありがたい。省エネを含めて役立てていく。今後も新しい材料を提供し、世の中に貢献していきたい。
日本力(にっぽんぶらんど)賞
シンフォニアテクノロジー社長・斉藤文則氏「大きな需要期待」
名誉ある「日本力賞」を頂き光栄だ。失敗を重ねながら開発にこぎ着けた。人間の手のように繊細に動く医療支援ロボットなど大きな需要を期待している。産業用ロボット向けには今後も小型・軽量化が求められる。応用範囲は広い。
日本力(にっぽんぶらんど)賞
日本精工技術開発本部新領域商品開発センター所長・宮田慎司氏「乗り心地に貢献」
動揺防止アクチュエーターは川崎重工業の動揺防止制御装置の駆動源として採用され、JR東日本の車両に装備いただき、最終的に乗客の皆さまの乗り心地向上などに貢献できうれしい。その部品を評価いただき大変光栄だ。
日本力(にっぽんぶらんど)賞
安川電機ロボット事業部ロボット技術部部長・岡久学氏「将来性見て開発」
受賞できとても光栄だ。電気自動車(EV)の電池を車体の下から設置する際の搬送用など将来性も見すえて開発した。液晶パネル搬送用ロボットで培った技術なども応用し、小型化と高可搬を両立した。
(2018/12/3 05:00)