[ オピニオン ]
(2018/12/25 05:00)
国内最新の普通車工場であるホンダ寄居工場(埼玉県寄居町)を見学した。「インサイト」「ヴェゼル」などの組み立てに青、黄色などのロボット計約700台が、白い服の従業員とともに活躍中だ。
溶接部門ではうち約400台が稼働する。随所でカニの手足のような動きが見られ、火花が激しく飛び散る。シートや前面パネルなの組み付けには、安全柵を置かずに人の隣で“協働ロボット”が動く。
タイヤ取り付けは、前方作業を済ませた1台のロボットが後ろも対応する。以前はできなかったスゴ技だとか。同社従来のインナー骨格溶接で16台必要だったロボットは10台に削減でき、ロボットの「働き方改革」が進む。
IoT(モノのインターネット)も活用する。溶接精度や部品のばらつきのデータをインライン測定し、品質向上や工程短縮を図る。寄居工場は世界約50拠点の“母なる工場”として、海外スタッフを含め電動化立ち上げ準備を始めた。
リーマン・ショックによる計画延期で2013年稼働した同工場の年産能力は約25万台。21年度に埼玉・狭山工場の集約も予定する。徳竹浩工場長は「日本でモノづくりを絶やさないため、ドイツに負けないよう生産技術を磨きたい」と意気込む。
(2018/12/25 05:00)