[ オピニオン ]
(2019/1/7 05:00)
「平成」から新元号へのバトンタッチまで、あと4カ月を残すのみとなった。天皇の退位は憲政史上初めて。新元号の公表が2019年4月1日となっているため、情報システムの新元号対応の準備はスピードが求められる。改修が遅れると、西暦と和暦を接続する際などに障害が起きる可能性もある。
日本のように現在も「元号制度」を採用している国は他にはない。元号は紀元前の中国、前漢の武帝時代に、漢字と数字の組み合わせで年次を表したのが始まりとされ、皇帝が領土や領民を時間的に支配する、支配の象徴だったという説もある。
日本は、西暦645年に孝徳天皇が定めた「大化」から現在の「平成」に至るまで、1300年余りの間に247の元号が使われてきた。かつては天皇の代替わりだけではなく、自然災害などを理由に改元が行われ、天皇一代で八つの元号が使われたという記録もある。
新元号はどうなるのか。これまで247の元号で使われた漢字は、延べ504文字。このうち、実際に使われたのは72文字の漢字に限られる。使われた回数では、「永」が29回で最も多く、「元」と「天」が27回、「治」が21回、「応」が20回で続く。「元号選定手続」で示されたような、「よい意味を持ち、読みやすく、書きやすい漢字」は、極めて限られている。
一方、平成の改元選定では、「平成」「修文」「正化」の三つの原案から新元号を選ぶにあたり、アルファベットの頭文字が重要な要素となった。明治の「M」、大正の「T」、昭和の「S」、平成の「H」と重なる元号は選ばれないことになる。
改元による情報システムへの影響は、業種や企業によってさまざまだ。帳票への印字などを含めて表記はほぼ西暦を使っている小売業や流通業の影響は小さいと見られる。一方、官庁や自治体、金融機関などは業務で和暦を使う文化が残っているため、修正が必要なプログラムが多い。あらかじめできるシステム改修はあるものの、公表日以降にしかできない作業も多く、準備が間に合うかは不透明だ。
(2019/1/7 05:00)
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