[ ICT ]
(2019/1/15 13:00)
米グーグルの日本法人がシンガポール法人との取引をめぐって、2015年12月期に東京国税局から約35億円の申告漏れを指摘されていたことが15日、関係者への取材で分かった。
東京国税局は、日本よりも法人税の税率が低いシンガポールに利益を移すことで、国内での税負担が抑えられていたと判断。追徴税額は過少申告加算税を含めて約10億円とみられ、同社は修正申告に応じたという。
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの「GAFA(ガーファ)」に代表される巨大IT企業をめぐっては、各国で得た利益に適正な課税ができないことが世界的な課題となっている。
グーグルはインターネット検索大手で、日本法人は「グーグル合同会社」(東京都港区)。
関係者によると、国内の広告主はシンガポール法人と契約して広告料を支払う。日本法人はシンガポール法人の業務を支援する形で国内営業などを担当しており、経費に8%を上乗せした金額を受け取っていた。
この所得について、国税局はシンガポール法人の収入に連動させた一定割合で算出すべきだと指摘。15年12月期の所得は、約35億円増の約105億円となった。
法人税の実効税率は当時、日本が32.11%、シンガポールが17%だった。日本法人は16年12月期も指摘に従って自主的に申告したという。
現在の国際ルールでは、国内に工場などの拠点がない外国企業には原則課税できない。こうした抜け穴がIT大手の課税逃れに利用されており、英国は自国での売上高に2%を課税する新税の導入を決め、EUなどでも議論が進んでいる。(時事)
(2019/1/15 13:00)