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[ 自動車・輸送機 ]
(2019/2/6 05:00)
【充放電スタンドと蓄電池設備を一体化した非常用電源システム「V2Xシステム」】
ダイヘンの「V2X(ビークル・ツー・エックス)システム」は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に蓄えた電力を使い、平常時は市役所などの施設の電力を補って、災害時は非常用電源の役割を果たすシステムだ。同社技術開発本部EMS開発部長の服部将之主席技師は、開発の狙いを「将来の電力網において、確実に増えていく分散型電源市場に対応するため」と説明する。
太陽光発電所や定置型蓄電池などの分散する電源を結んで統合制御し、一つの発電所のように機能させる仕組みは、バーチャルパワープラント(VPP)と呼ばれる。国内外でさまざまな実証が進むが、普及にはシステム開発や蓄電池などのコストが課題となる。
これに対しダイヘンのV2Xシステムは、平常時はEV・PHVを利用しながら施設の電力使用量も抑制できて環境対策につながる。また、災害時は非常用の独立電源として施設の事業継続計画(BCP)対策に貢献する。環境とBCPの両対策を満たし、VPP導入のハードルを下げることを狙う。
EV・PHVを使い、家庭の電源を補助する「V2H」のシステムは国内各社が製品化するが、「大規模な施設の電源を補助する製品はほかにない」(EMS開発部の大堀彰大主事)。標準的な製品規格もなく、開発にあたっては「家庭用の規格に準拠しながら、システム規模を大きくするのに苦労した」(EMS開発部の西尾隆平さん)という。
大規模施設のポンプやエレベーターなどの設備を動かす電源として高圧・大電流を制御するため、エネルギー管理システム(EMS)にも新たな制御技術を追加した。同技術を使った制御基板はEV・PHV用充放電器に搭載し、台数を増やせばシステム規模を柔軟に拡大できる。2019年度は低圧200ボルト系統への接続や太陽光発電設備などとの連携にも対応し、導入しやすい仕様を増やす。(大阪・錦織承平)
【製品プロフィル】
EV・PHVの電力を使って市役所、学校、商業施設などの電源を補助するシステム。普及が進むEV・PHV用の急速充放電器と定置型蓄電池などを独自のEMSで制御する。車で給油所などに行き燃料を補給すれば、長期的に避難所などに電源を供給できる。非常用発電機の課題だった、燃料品質を維持する手間も不要だ。
(2019/2/6 05:00)
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