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[ 科学技術・大学 ]
(2019/2/17 07:00)
グリーンランド北西部を覆う分厚い氷の下に直径36.5キロメートルのクレーターとみられる地形を発見したと、米航空宇宙局(NASA)などの研究チームが発表した。近くの氷の下では直径31.1キロメートルのクレーターが確認され、昨年11月に発表されたばかり。ただ、二つの巨大な隕石(いんせき)が同時に衝突してできた可能性は低いという。
今回の発表は衛星観測データなどの解析に基づいており、現地調査で確認されれば、地球で見つかったクレーターとしては22番目の大きさとなる。論文は米地球物理学連合の専門誌電子版に掲載された。グリーンランドや南極大陸を覆う氷床・氷河の下では今後もクレーターが見つかる可能性があり、気候変動への影響の解明が期待される。
今回の地形は氷の表面から約2キロメートル下にあり、クレーターらしい縁から底面までの深さは約160メートル。先に183キロメートル離れた氷の下で確認されたクレーターより底が浅い。
地球に近づく小惑星の中には2個以上が近接して集まっているものがあり、地球に隕石となって落下した場合は複数のクレーターが同時にでき、気候に甚大な影響を及ぼすと考えられる。しかし、研究チームはグリーンランド北西部のクレーターについては、上を覆う氷の年代の違いなどから同時にできた可能性は低いとみている。(時事)
(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)
(2019/2/17 07:00)