[ オピニオン ]
(2019/3/19 05:00)
カラハラにブラハラ、エアハラ―。一体何かお分かりだろうか。これらは全て“○○ハラスメント”の略語。インターネットでざっと調べただけでも、30種類以上はあるらしい。
答えは順にカラオケでの歌の強要、血液型(ブラッドタイプ)による性格の決めつけ、勝手に温度を下げるなど空調(エアー)によるハラスメントだという。もちろんハラスメントは言語道断だが、どこまで神経質になればいいのかと少し憂鬱(ゆううつ)にもなる。
トヨタ自動車の企業内訓練校「トヨタ工業学園」の卒業式を拝見した。高等部の生徒は中学卒業後、生活を共にしながら技能習得に励む。担任教師に名前を呼ばれ「ハイ!」と大声で返事をするさまや一糸乱れぬ動作は、訓練の厳しさを想像させる。
訓練の辛さは彼らの言葉の端々にも表れる。しかし皆、表情からは誇りが伺え、目には力強い光がともっていた。許される厳しい指導と、許されない指導の差は何かと考えさせられる。
“○○ハラ”を恐れ、部下や後輩との接し方に戸惑っている企業人は多いだろう。結局、相手を尊重し愛情を持って接する思いやりと、日常のコミュニケーションが肝要ではないかと、晴れやかな顔で巣立つ若手技能者を見て感じた。
(2019/3/19 05:00)