[ オピニオン ]
(2019/5/6 05:00)
台風による強風や大雨、あるいは大規模な火災や地震などの災害発生時に屋外スピーカーを通して、役所から注意や避難を呼びかける放送がある。しかし、大雨の時や夜間に戸を閉め切った家の中からは聞き取りにくい。民家が点在しているような地域では近所の声掛けも難しい。
NTTデータは「減災コミュニケーションシステム」の一つとして、こうした問題を解決するため、最新の無線通信技術LPWA(ロー・パワー・ワイド・エリア)を使って情報伝達するサービスを本格化した。
LPWAは送信できる情報量は少ないが、低費用で広い範囲に伝える安価なネットワーク技術だ。同社は埼玉県の山間にある横瀬町で実証試験を実施。山を越えても通信できることを確認した。
この技術を使うと、各戸に弁当箱ほどの受信機を置けば宅内で災害情報を受信できる。現在、自治体向けを中心に普及を進めている。平常時は役場のお知らせに使う手もあるかもしれない。
東日本大震災や北海道胆振東部地震など日本は自然災害が多い。災害から身を守るのは早期かつ的確な情報が何よりも重要だ。各地の自治体も情報が確実に住民に伝わり、安全な避難を誘導できるようなシステムを整備していただきたい。
(2019/5/6 05:00)