[ オピニオン ]
(2019/5/16 05:00)
よそ者、若者、ばか者―。地域活性化の人材のキーワードとして、挙げられる。外部の視点で物事をとらえて、あふれ出るエネルギーや情熱を持ち、既成概念にとらわれず行動できる人と言えようか。
4月の統一地方選挙の結果を受け、北海道知事に前北海道夕張市長の鈴木直道氏が就任した。年齢は38歳と全国最年少知事だ。就任会見で「あらゆるピンチをチャンスに変えて、北海道の新時代を切り開いていく」と訴えた。
北海道はそのイメージからか、地域の魅力度ランキングで道内の都市が上位を占める。ただ、そのイメージに反して課題が山積する。あらゆる面で深刻な影響を及ぼしているのが、全国より速い人口減少と少子高齢化だ。広大な北海道では札幌に一極集中する一方、地方が疲弊する構造ができている。
鈴木知事は財政破綻した夕張市で2期8年、市長として財政立て直しに務めてきた。もともとは東京都職員であり“よそ者”として、地域の現状を見つめて取り組んできたのではないか。
北海道全体となれば利害関係者が増え、問題が複雑に絡み、難しい局面に立たされることもあるだろう。ひるまずに“ばか者”として北海道の可能性に着目し、課題解決に突き進んでほしい。
(2019/5/16 05:00)