(2019/10/23 05:00)
11月2日まで熱戦が続くラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。日本代表は準々決勝で南アフリカに敗れたものの、初の8強進出を果たした。前回の2015年英国大会前まで、わずか1勝止まりのチームが、ティア1と呼ばれる強豪国を次々に打ち負かす姿は、見る者の心を奪った。
日本代表が掲げたのは「ワンチーム」。16年9月に就任したニュージーランド出身のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)は、約半数を外国出身者が占め、経歴が異なる多様な選手を見事にまとめあげた。
言うは易く行うは難しで、選手とスタッフを含め50人を超える大所帯を率いる大変さもあったとジョセフHC。南ア戦翌日の総括会見で「全員が連携して一人ひとりが与えられた役割をすることが、しっかりできているチームだ」と言い切るまで、道のりは平たんではなかった。
合宿中、選手が口にする食事にまで目を光らせたエディー・ジョーンズ前HCとは対照的に、選手の自主性を重んじた。指導方針の違いに選手との溝もできたと聞く。
HCと選手たちは幾度となく話し合いの場をもち、複数のリーダーがチームを支える体制を整えた。経営者と従業員の関係に置き換えれば、立派な手本となる。
(2019/10/23 05:00)