産業春秋/CASEへの恐怖心

(2019/11/21 05:00)

自動車業界の新潮流「CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)」。その中でも自動運転は輝く未来を感じさせる。しかし先行きは楽観視できない。技術面だけでなくプライバシー保護の問題などが課題として浮かび上がり、投資資金の回収が長期化するリスクも強く意識され始めた。

結果として米ゼネラル・モーターズが2019年としていた商用化の延期を決めるなど自動車メーカーの計画の遅れが目立つ。また消費者の期待も後退気味で、米国の調査では約70%が自動運転技術を「完全には信頼していない」と答えた。

ただ、メーカーが開発の手を緩める気配は今のところない。英調査会社LMCオートモーティブのピート・ケリー氏は「ライバルに先を越されないかという『恐れ』が背中を押している」と指摘する。

恐れに煽(あお)られる事態は感心しない。闇雲に手を広げ、研究開発費ばかりが増え、成果が得られないことになりかねないからだ。冷静になる手助けとなるのはパートナーの存在だろう。

異業種を巻き込み知恵を出し合って戦況を見極め、必要な手を打つ―。恐怖に打ち勝つための仲間づくりは、自動運転開発という“ドライブ”で不可欠な要素になる。

(2019/11/21 05:00)

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