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(2020/4/6 05:00)
「チェーン」に魅せられて
(総合1から続く) 高校生のころ、数学や物理が苦手なのにもかかわらず、時計修理の技術者に憧れて理系を選択しました。兵庫県立大学工学部機械システム工学科に進学。その後に進むつもりだった時計修理の専門学校は、学費の面から断念することに。それでも何かモノづくりに携わりたいと悩んでいた時、工場の生産自動化を実現しているのが「チェーン」であることを知り、椿本チエインへの入社を決めました。
現在は、食品工場向けチェーンの設計・開発などに携わっています。チェーンに食材が直接触れるため、素材には耐食性と硬度の両方が求められます。
ただ、その両方の性能を同時に高めることはできません。いかにバランスの取れた設計ができるかが問われます。自分が苦労して設計したチェーンが、実際に現場で製造されている様子を見ると、感動もひとしおです。
大学で学んだ強度の計算方法やCADの知識が、今の業務にも生かされています。とはいえ、会社独自のノウハウが9割を占めているので、先輩や上司と話しながら設計思想を培っていく感じです。
今後は、社内制度を活用して海外のグループ会社での勤務を経験したいです。異なる仕事のやり方、異なる設計思想を学び、京田辺工場での現場改善にも生かしていければ。
動画サイト「ユーチューブ」で、生産現場の動画を探して見ています。旋盤や左官などの作業をしている技能五輪の動画は(自分の中で)たまにブームが来ますね。最近は筋トレにもハマっています。自分の体を実験台にして、実際に変化が出てくる感じが面白いです。(文=大阪・園尾雅之、写真=同・冨家邦裕)
◇椿本チエイン チェーン製造事業部技術部コンベヤチェーン技術課 徳重裕美(とくしげ・ひろみ)さん
(2020/4/6 05:00)