(2020/5/4 05:00)
政府は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を延長する。企業は事業継続へ厳しい判断を迫られる局面だ。苦境に陥る企業の支援へ、業種や規模に応じて、よりきめ細かい追加施策を講じてもらいたい。
新型コロナ対策の専門家会議は感染拡大の現状について、新規感染者数は減少傾向に転じていると評価。ただ、「収束のスピードは期待したほどではない」とし、外出自粛などの強い対策を継続する必要があると判断した。
これを受けて政府は緊急事態宣言の延長方針を固めた。延長期間などを含め、4日に決定する。
延長により感染の爆発的拡大を防ぎ、医療崩壊を阻止するという考えは理解できる。しかし、休業に追い込まれたり市場収縮に直面したりする企業にとっては死活問題となる。世界同時並行で進む事態であり、影響はあらゆる業種に及んでいる。
2020年度補正予算が成立し、財政支出25兆6914億円の緊急経済対策が動きだした。企業向けでは、民間金融機関による実質無利子無担保融資や、特に厳しい状況にある中小企業に法人は最大200万円、個人事業主に同100万円を給付する持続化給付金、雇用調整助成金による助成率の引き上げなどが講じられる。
過去に例のない規模ではあるが、緊急事態宣言の延長で破綻の淵に追い込まれる企業が増えることは避けられない。追加の措置が必要になろう。政府は第2次補正も検討すべきだ。
最も影響を被っている外食・サービス産業などの零細企業には、自民党が無担保融資と給付金のハイブリッド型を提案している。また、立教大学名誉教授の山口義行氏は、中小企業支援として、ローン債権の買い取りや利息の支払いのみで元本返済を猶予する永久劣後ローンを提案している。一考の価値があるのではないか。さらに、公的資本注入などを模索する動きもある。
政府は1社でも多くの企業を救えるよう、考えられる政策を総動員して取り組んでほしい。
(2020/5/4 05:00)
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