(2020/7/7 05:00)
山積する足元の問題に対処しつつ、世界の都市間競争にも挑んでいく。2期目の小池都政に与えられた課題は大きい。
東京都知事に小池百合子氏が再選された。2位に大差をつけた圧勝である。
まず喫緊の課題は新型コロナウイルス対策である。都内の新規感染者数は1日当たり100人を超える日が続く。小池氏は「東京版CDC(疾病対策センター)を設ける」と表明した。感染第1波で課題となった検査体制の脆弱(ぜいじゃく)さ、病院間の連携不足や保健所の業務過多などを解消する役割が求められる。
社会・経済活動と感染症対策の両立が大前提である。小池氏も「大規模な休業要請は行わない」と述べた。感染拡大が続く地域に集中した施策を講じ、東京から他県への感染拡大を防いでもらいたい。
中長期の課題は、東京が世界有数の都市として世界から評価される“都市力”の向上である。グローバルビジネスや金融センターとしての機能を充実させ、ニューヨークやロンドン、上海などとの都市間競争に伍(ご)する地位を獲得することだ。
第5世代通信(5G)などのデジタルインフラの整備、多言語対応や豊かな住空間の確保などにより、最先端の都市にふさわしい、効率的で人にやさしい都市開発を進めてもらいたい。
そのためにも、東京の“過密さ”解消が重要である。通勤ラッシュや都心にオフィスが集中する状況を是正する必要がある。
東京一極集中の弊害は長年指摘されてきたが、新型コロナにより、必然とも言える状況となっている。人口の多さと都市力は必ずしも比例しない。国とも連携し、都が率先して取り組む姿勢を示してもらいたい。
東京五輪・パラリンピック開催にも黄色信号がともる。コロナの感染収束が待たれるが、簡素化と感動を与える大会となるよう、知恵を絞ってほしい。
東京の健全な発展が、日本全体の発展にも大きく寄与する。366万票の期待は重い。小池都政には大きな責任が問われる4年間となる。
(2020/7/7 05:00)
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