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(2020/9/21 05:00)
土木技術極めて“黒帯”に
(総合1から続く) 大成建設に入社したきっかけは空手でした。空手を始めたのは地元、新潟県佐渡市の佐渡高校で、当時は空手の強豪校。全国大会に出場する女性の先輩に憧れて夢中で練習し、在学中に黒帯を取得しました。進学した日本大学工学部土木工学科では地盤工学を専攻。地盤工学研究室で土の性質を調べる日々を過ごしました。とにかく土に触れるのが好きでした。就職活動の時、ゼネコンは女性の採用に消極的だと感じました。しかし大学の空手部OBとの出会いが縁となり、入社を決めました。「女性が活躍できる環境が整っている」というOBの言葉が決め手となりました。
2009年4月に入社して最初の配属は埼玉県の土壌浄化関連工事の現場で、口径の小さなトンネル工事の技術を学びました。2年目から都内の大規模シールドトンネル工事でマシンの掘削方向や掘削量の管理を担当しました。念願の職場でしたが、1日に約36メートル掘り続けるマシンを誤差なく進めていくプレッシャーのかかる仕事でした。
12年5月に現場を離れ、工事受注するための技術支援を行う本社の土木本部プロジェクト部に異動しました。最適な工法などの計画をまとめる技術提案書の作成で、より土木技術の知識を深める機会になりました。現在の横浜市内にある鉄道トンネル工事(羽沢トンネル工事)の施工管理業務に赴任したのは15年11月です。工事事務所では仕事の合間にゴーヤーなどを育てながら土いじりをしています。
夫とは現在勤務している工区で知り合い、結婚しました。産休後、19年4月に職場復帰しました。夫は九州に単身赴任しています。2歳の娘の子育てに追われつつ、充実した毎日を送っています。(文=編集委員・山下哲二、写真=森住貴弘)
◇大成建設 横浜支店主任 相馬衣利子(そうま・えりこ)さん
(2020/9/21 05:00)